エコノミー症候群の治療
窮屈な座席で長時間同じ姿勢のままでいると、血の流れが悪くなり血管の中に血のかたまりが作られ、そこに痛みや腫れが生じることがあります(深部静脈血栓症)。血のかたまりがはがれ、肺の血管につまると、胸が痛い、呼吸が苦しいなどの症状をおこします(肺塞栓症)。肺塞栓症は、程度が重いと死亡する可能性もある重大な病気です。
エコノミークラス症候群とも呼ばれますが、ビジネスクラスやファーストクラスでも起き、また、その他の交通機関でも長時間同じ姿勢をとった場合に起きる可能性があります。
症状
- 足や膝が腫れます。次いで、ふくらはぎや大腿に激しい痛みがきます。
- 肺の血管がつまった場合には、突然、胸痛と息切れが起きます。なお、症状の程度は軽度から心臓発作のような重症のものまでさまざまです。
- 足のむくみから始まり、足がしびれ、足の一部が変色していきます。足がむくんできたと思ったら、我慢せずに足をマッサージしたり、水分をとって血行が良くなるように促しましょう
エコノミークラス症候群を起こす危険性
次のような場合、飛行機でエコノミークラス症候群を起こす危険性が高くなると言われています。
- 4時間以上の長時間の飛行
- 短期間に頻回飛行機を利用した場合
- 高齢者
- 肥満のある人
- 最近大きな手術を受けた人
- 妊婦
- ホルモン補充療法中の人、経口避妊薬を飲んでいる人
- がんのある人
予防
十分わかってはいませんが、以下の予防方法が提案されています。
- 水分をしっかりととります。アルコールを飲むと脱水を起こしやすいので、ほどほどにしましょう。
- 時々足と体を動かしましょう。時々通路を歩くとよいです。また、着座中、時々足の運動をしましょう。座ったままでできる運動の1例として、床につま先をつけかかとを上げ、左右の親指を3秒間押し合う。次にかかとを床につけてつま先を上げ、同様に左右の親指を3秒間押し合う。これを10回繰り返す運動を、30分に1回行う方法があります。
- ゆったりとした服を着るようにします。
- 弾性ストッキングの効果も指摘されています。危険性が高い人はかかりつけ医にご相談ください。
症状がみられたら、速やかに医療機関を受診してください。命にかかわる病気です。






















